セミナーはコンサル案件開発の重要なきっかけです。本稿では、セミナーテーマの開発について検討します。
セミナー提供の意義
セミナーは本格的なコンサルティングプロジェクトよりも比較的単価が低く、潜在顧客にとって参加しやすい形態です。いきなり高いサービスを売るのではなく、セミナーで良質のサービスを提供するのです。顧客を感動させることができれば、潜在顧客はさらにあなたのサービスを買ってくれるはずです。
また、初期のコンサルタントにとっては、経歴書に書く「実績」として比較的取り組みやすい側面もあります。
セミナーテーマの考え方
基本的にはこれまでの経験の中から潜在顧客に役立つ内容を抽出することになります。全く経験のない分野をセミナーテーマにすることは不可能ではありませんが、事前準備にたいへんな労力をかける必要があります。
具体的な手順
経歴・経験の棚卸し
まずは自らの経験から獲得した知的資産を棚卸することから始めましょう。この際、できるだけ定量化して表現しましょう。もし、友人知人から相談を受けた経験があれば、それはあなたの強みに関連している可能性が高いと考えてください。
学生時代以前の経歴
社会人になる前の経験とそこから得た知見を振り返ります。以下のようなものがあります。
- 出身地(◯◯県◯◯市)
- 出身高校(◯◯高校)
- 出身大学・学部(◯◯大学◯◯学部)
- 部活やサークル(バドミントン部、金融勉強会)
- その他の活動(オーストラリアに短期留学)
社会人時代の経歴
- 勤務先(◯◯電機を経て独立コンサルタント)
- 担当業務(事業開発担当)
- 具体的な経験(◯◯国に5年駐在して現地法人立ち上げ、新人時は仕事ができず資料作成で徹夜の連続)
- 実績(新規事業で売上◯◯億円を達成、◯人のチームをリードして新規オペレーション立ち上げに成功、新規ウェブメディアを企画して現在は毎月◯◯PV)
- 取引先等のつながり(◯◯の主要部品メーカーの担当者と飲み仲間)
現在の状況
- 家族(妻と娘1人)
- 趣味(バドミントンとワイン)
- 資格(中小企業診断士、公認会計士)
- 仕事(独立コンサルタントでセミナー◯本開催、総計◯名)
- 個人的つながり(学生時代、仕事、勉強会・研究会などを通じて◯◯コミュニティのつながりがある)
セミナー企画案の作成
棚卸した知的資産を出発点としてセミナー案を考えます。
上記の例で言えば、例えば以下のようなテーマが出てくるでしょう。
- 新入社員の抱える問題点を把握して指導できるようにするセミナー
- 社内の多くの関係者を巻き込んで新規事業を開発するための手順
- コア商品の売上を増やすオウンドメディアの作り方