コンサルの仕事内容は、顧客の課題を整理し、必要な情報を集め、解決策を比較して、実行を支援することです。日々の作業に置き換えると、顧客へのヒアリング、データの集計、資料作成、会議の準備、業務手順の設計、進捗や課題の管理などがあります。
ただし、すべてのコンサルタントがこれらを同じ割合で担当するわけではありません。新規事業の構想段階と、システム導入直前では、必要な仕事が変わります。入社直後に何をするかも、会社の知名度より、配属先、案件、チーム内の役割に左右されます。
この記事では、コンサルの仕事を「工程・作業・成果物・意思決定」に分けて説明します。業務のイメージをつかめるよう、製造業の調達改革を題材にした架空例も使います。
目次
コンサルの仕事を、プロジェクトの工程で整理する
「調査する」「資料を作る」だけでは、その作業が何の役に立つのかが分かりません。プロジェクト全体の中で、次に必要な判断から逆算すると、個々の仕事を理解しやすくなります。実際には前の工程に戻ったり、複数の工程を並行したりするため、以下は基本的な整理です。
| 工程 | 主な作業 | 成果物の例 | 顧客が決めること |
|---|---|---|---|
| 課題の定義 | 依頼内容・対象範囲・制約の確認 | 目的、検討事項、作業計画 | 今回、何を解決するか |
| 現状の把握 | ヒアリング、データ収集、業務観察 | 現状分析、業務フロー | どの問題を優先するか |
| 選択肢の検討 | 原因検証、施策比較、費用・効果の試算 | 比較表、提案、実行案 | どの施策を採用するか |
| 実行の設計 | 担当・期限・手順・評価指標の具体化 | 実行計画、要件、業務手順 | 誰がどう実行するか |
| 実行と定着 | 試行、課題管理、教育、引き継ぎ | 課題一覧、マニュアル、検証結果 | 継続・修正・展開をどうするか |
契約が現状分析までなら、後半の実行支援は別の担当が担います。逆に、実行段階から参加するコンサルタントもいます。「上流から下流まで対応できる」という会社紹介と、自分が一つの案件で全工程を担当できることは別です。
仕事内容の基本的な範囲は、厚生労働省job tag「経営コンサルタント」を参照。上の工程・成果物の対応は、業務理解のために編集部が整理したものです。
課題の定義と調査:何を調べれば、判断できるのか
最初の仕事は、顧客から受けた依頼を、そのまま作業の一覧にすることではありません。何を決めたいのか、判断のために何が不足しているのかを確かめます。ここが曖昧だと、情報を大量に集めても提案につながりません。
依頼の言葉と、実際に解く課題を分ける
「営業を効率化したい」という相談には、商談件数を増やしたい、見積もりの時間を短くしたい、受注率を上げたいなど、異なる問題が含まれます。何を効率と呼ぶかによって、確認するデータも施策も変わります。
コンサルタントは、顧客が困っている場面、変えたい指標、これまで試した対策、動かせない条件などを聞きます。そのうえで、「見積もりの承認に時間がかかり、回答が遅れている」といった、調査可能な問いに具体化します。
調査の対象範囲も決める必要があります。全社の営業を調べるのか、特定の商材・地域だけを対象とするのかで、必要な期間と人員が変わります。対象を広げるほどよいわけではなく、今回の意思決定に必要な範囲を顧客と合わせます。
このとき、何が分かれば判断できるかも先に考えます。「承認待ちが主因なら権限を見直す」「入力に時間がかかるなら項目や仕組みを変える」と、分析の結果が次の行動にどうつながるかを置くことで、目的のない調査を減らせます。
ヒアリングは、意見を聞くだけでなく事実を確かめる
顧客へのヒアリングでは、「どこが大変ですか」と聞くだけでは十分でないことがあります。「先週どの案件で止まったか」「誰に確認したか」「その時に何の情報が足りなかったか」と、具体的な場面を確認すると業務の構造が見えます。
担当者ごとに話が異なる場合もあります。営業は承認が遅いと考え、承認者は情報不足で判断できないと考えているかもしれません。どちらかをすぐに正解とせず、実際の申請内容や処理履歴を合わせて確認する仕事が必要です。
会話で得た情報は、事実、本人の認識、今後の希望を分けて整理します。「入力欄が多い」という感想と、「一件の入力で同じ情報を三つの画面に登録している」という業務の状態では、後者の方が改善案に結び付きやすくなります。
ヒアリング後には、理解した内容を相手に確認します。聞き手の解釈違いや、特定の例外を通常業務として扱う誤りを減らすためです。会議に参加することだけでなく、確認事項と未解決事項を整理して次の調査につなげるところまでが作業に含まれます。
分析と提案:数字を並べる作業から、選択肢の比較へ
データ分析の目的は、きれいなグラフを作ることではありません。問題がどこにあり、どの施策を選ぶと何が変わるかを判断することです。集計前の定義確認と、分析後の解釈の両方が必要になります。
集計の前に、数字の範囲と定義をそろえる
売上を比較するだけでも、受注日で集計するのか、出荷日で集計するのかによって結果が変わります。顧客が提供した表の見出しが同じでも、部門によって扱いが異なることがあります。
そのため、元データがどこから取得されたか、期間や対象に漏れがないか、返品や取消をどう扱うかを確認します。空欄をゼロと扱ってよいか、同じ顧客が別の名称で登録されていないかといった点も、分析結果に影響します。
分析担当者が判断できない項目は、データを管理する部門に問い合わせます。都合のよい前提を置いて計算を進めるのではなく、仮定として置いた条件と、確認済みの条件を記録しておく必要があります。
集計の再現性も大切です。別の人が同じデータと条件を使ったときに、同じ結果を出せる状態にしておけば、レビューや修正がしやすくなります。これは高度な分析手法の前に必要になる、基本的な品質管理です。
原因の仮説を検証し、打ち手の副作用まで比較する
ある部門の残業が多いという結果だけでは、人が足りないと結論づけられません。作業の集中、手戻り、承認待ち、システムへの二重入力など、異なる原因が考えられます。原因によって、増員、手順変更、権限移譲、システム改善などの選択肢が変わります。
仮説は、調査を進めるための一時的な説明です。反対のデータが見つかったら修正する必要があります。最初に考えた施策を通すために都合のよい情報だけを集めると、提案の説得力より前に、その妥当性が失われます。
施策の比較では、期待する効果と費用に加え、実行できる時期、必要な人員、他部門への負担、失敗時に戻せるかを整理します。短期で効果が出る案と、準備に時間がかかる案を同じ条件で比べると、選択肢の特徴を見落とすことがあります。
提案書には、推奨案だけでなく、採らなかった案とその理由も残すと、顧客が判断しやすくなります。前提が変わったときに、どの条件を見直せばよいかが分かるためです。断定の強さより、判断を支える条件の明確さが重要になります。
実行支援:決めた施策を、動く手順に変える
施策を承認しても、現場の行動が自然に変わるわけではありません。新しい担当やルールを決め、関係者に説明し、使い始めてから起こる問題に対応する必要があります。この工程では、分析力に加えて、進め方を設計する力が問われます。
担当者、期限、完了条件を具体化する
「営業とシステム部門で対応する」という計画では、実際に誰が作業を引き受けるかが曖昧です。何をいつまでに作り、誰が確認して完了とするかを決めると、作業を進めやすくなります。
たとえば申請手順を変える場合、申請画面の修正だけでは完了しません。承認権限の設定、例外処理の決定、利用者への説明、旧手順で残った案件の扱いなども必要になります。変更が他の業務に与える影響を洗い出す仕事です。
完了条件を「マニュアルを作る」とするか、「対象者が新手順で申請できる」とするかでも、必要な作業が変わります。支援の目的が運用定着まで含むなら、文書を用意した後の確認が必要です。
進捗管理では、遅れの報告だけでなく判断を助ける
プロジェクト管理を支援するPMOという役割では、進捗、課題、リスク、会議体などを整理することがあります。ただし、PMOの権限や担当範囲は案件ごとに異なり、プロジェクトの最終責任者と同じとは限りません。
進捗表に「遅延」と記すだけでは、仕事は前に進みません。何が原因で止まっているか、誰の判断が必要か、他の作業にどう影響するかを確認します。そのうえで、期限を変えるのか、範囲を見直すのか、追加の対応が必要かを判断できる形にします。
実行支援では、当初計画と実際の違いを見つけることにも価値があります。現場で使えない手順があれば、利用者の理解不足と決めつけず、例外が多すぎる、入力情報が手に入らないなど、設計側の問題も検討します。
ITシステムの導入では、業務の設計とシステムの設計が強く関係します。ITコンサルの担当範囲は、構想から稼働後までの工程に分けて説明しています。
架空の調達改革プロジェクトでは、何をするのか
ここからは、ある製造業の企業が「部門ごとに発注しており、購買業務の負担が大きい」と相談した架空例です。実在する企業の内情や標準的な案件期間ではなく、作業と成果物のつながりを示すための例として考えます。
購買データと現場の手順を照合する
最初に、何の購入を対象とするかを決めます。製品に使う部品と、オフィス用品では、品質や納期の条件が違います。すべてを同じ購買ルールにまとめようとすると、必要な例外まで消してしまうおそれがあります。
対象を絞った後、仕入先、品目、購入数量、価格、発注日、納期などを確認します。同じ品目でも名称や単位が違うと単価比較ができないため、まず品目の対応関係を整理する作業が発生します。
データだけでは、緊急発注が多い理由は分かりません。生産計画の変更なのか、在庫情報の遅れなのか、承認に時間がかかるのかを、担当者の説明や記録と合わせて確認します。低価格の仕入先へ変更するだけで解決する問題かどうかを、この段階で見極めます。
若手の担当者なら、品目データの整理や、発注手順の図式化、ヒアリング記録の整理などを受け持つことが考えられます。単に表を埋めるのではなく、「比較できない理由」「確認が必要な例外」を報告するところに仕事の質の違いが出ます。
施策を試し、購買担当者に引き継ぐ
改善案として、共通品のまとめ買い、承認条件の変更、発注システムの入力項目削減などが考えられます。しかし、まとめ買いは単価を下げても、在庫を増やす可能性があります。価格だけでなく、保管や廃棄、納期の条件も含めて比較が必要です。
対象部門で試行する場合は、旧手順との違いを説明し、問い合わせ窓口を決めます。試行期間中に例外が出たら、担当者が個別に解決して終えるのではなく、今後も発生する例外か、共通ルールを変える必要があるかを整理します。
効果の確認では、購入単価、発注件数、処理時間、納期への影響などを分けます。価格が下がったとしても、市況や購入数量が変わっていれば、すべてを施策の成果とはいえません。比較条件を残すことが、分析の段階と同様に重要です。
最後は、改善した手順を維持する担当者、指標の確認方法、新しい例外が出たときの判断先を決めて引き継ぎます。外部の支援者がいなくても運用できる状態まで契約に含むなら、その確認も成果物の一部になります。
若手・チーム責任者・案件責任者では役割が違う
アナリスト、コンサルタント、マネジャー、パートナーなどの呼称は会社によって異なります。同じ名称でも担当範囲がそろっているとは限らないため、ここでは肩書ではなく、プロジェクト内の機能で分けます。
若手は、担当作業の正確さと問いへの理解を求められる
若手の担当作業として考えられるのは、公開情報の調査、顧客データの集計、会議記録、資料の一部作成などです。これらは単独で完結する雑務ではなく、顧客への提案や意思決定を支える部品になります。
たとえば市場情報を調べる仕事でも、数字を集めるだけでなく、調査年、対象地域、指標の定義をそろえる必要があります。資料の数字が違っていた場合、どちらを選ぶかを自分の好みで決めず、違いの理由を説明できる状態にします。
分からない点を早めに相談することも仕事の一部です。最後まで作業してから前提の誤りが分かるより、集計方法や成果物の見本を途中で確認した方が、手戻りを減らせます。自分の担当が全体のどの判断に使われるかを理解すると、相談の内容も具体的になります。
責任者は、複数の作業と顧客の期待をつなぐ
チームを管理する立場では、課題を作業に分け、担当と期限を決め、成果物の品質を確認する仕事が増えます。各担当の分析が正しくても、全体として顧客の問いに答えていなければ、設計を見直す必要があります。
顧客と合意した範囲を管理することも重要です。追加の相談が出たときに、既存の期間と体制で扱えるか、優先順位を入れ替えるか、別の対応が必要かを整理します。すべてを引き受けることが、必ずしもよい進め方ではありません。
さらに案件全体や顧客との関係を担う立場では、どの課題を支援するかの提案、適切な専門家の組み合わせ、重要な判断への関与などが必要になります。ただし、営業、品質責任、現場管理を誰が担うかは会社や案件で違うため、肩書だけから一律に想像しない方がよいでしょう。
実際の事例では、システムと業務の両方を変えることがある
業務改革を調べるときは、導入した製品名だけでなく、導入前に何が問題で、どの業務を変えたかに注目すると、コンサルの作業を理解しやすくなります。ここでは支援会社が公開する事例を、一つの案件の例として確認します。
アビームコンサルティングが2022年3月に公開した飲食チェーン企業の事例では、当初のシステム刷新にとどまらず、人事業務の見直しも含めて取り組んだことが説明されています。成長に伴って合わなくなった業務や、二重入力・紙の処理などを見直し、標準業務とクラウドの活用を進めた事例です。顧客名は公表されていません。
この説明から分かるのは、システムの機能を選ぶ前に、業務自体を変える判断が含まれたことです。一方、担当者ごとの作業時間や、すべてのコンサルタントの分担が公開されているわけではありません。この事例だけから「若手は必ずこう働く」と一般化することはできません。
企業研究では、事例に出てくる作業を「現状把握」「新しい業務の設計」「システム対応」「教育・移行」に分けると、求人票の仕事内容との対応を確かめやすくなります。製品名や成功の言葉だけでは分からない、実際の支援範囲を確認する方法です。
出典:アビームコンサルティング「飲食チェーン企業」導入事例。成果・取り組みは提供会社による説明であり、現時点の運用状況を独立に検証したものではありません。
一日の仕事は、会議の前後にある作業で変わる
日々の仕事を想像するには、会議に出ている時間だけでなく、その前後に何を用意し、何を修正するかまで見ると役立ちます。ここでは、顧客との打ち合わせを控えた日の架空例で考えます。労働時間や平均的な勤務予定を示すものではありません。
打ち合わせ前:確認したいことを、答えられる形にする
たとえば午後に調達担当者へヒアリングするなら、午前の作業は質問を並べるだけではありません。提供された発注データを確認し、数字の定義が不明な点と、業務の流れを聞きたい点を区別します。参加者の役割に応じて、誰に聞くべき内容かも整理します。
「例外処理はありますか」だけでは、相手は何を説明すればよいか迷うかもしれません。「緊急発注の場合、通常と異なる承認は必要ですか」「返品された品目はどの記録に反映されますか」と具体化すると、確認したい条件が伝わります。
打ち合わせで結論を出したい内容があるなら、選択肢と判断材料を先に用意します。参加者がその場で数字を調べる必要があるなら、会議中には決められないかもしれません。事前に共有すべき資料と、当日確認する内容を分けます。
チーム内のレビューでは、質問が案件の目的につながっているか、同じ情報を別の担当がすでに持っていないかを確認します。顧客の時間を使うため、必要な情報と質問の範囲を絞ること自体が準備の仕事になります。
打ち合わせ後:記録を、次の行動につなげる
打ち合わせ後は、発言をすべて同じ重要度で書き起こすのではなく、確認できた事実、決まったこと、追加確認が必要なことを分けます。宿題には担当者と期限を記録し、誰が次に動くかを明らかにします。
聞いた内容によって、最初の仮説が変わる場合もあります。承認に時間がかかると思っていたのに、実際は申請前の情報収集で止まっていたなら、分析対象を見直す必要があります。ヒアリングの記録を作って終わりにせず、分析計画へ反映します。
資料の更新では、変更した数字だけでなく、それによって結論や他のページが変わるかも確認します。一枚のグラフだけを直しても、導入や提案の文章が以前の前提のままなら、説明が矛盾してしまいます。
このように、調査、会議、分析、資料の修正は独立した作業ではありません。顧客から情報を得て、仮説を変え、次に必要な判断を整理する循環として進みます。作業の種類だけでなく、その前後の関係を理解することが、日々の仕事の把握につながります。
成果物の品質は、どのように確認するのか
コンサルの成果物は、顧客が判断や実行に使うものです。誤字がないことに加え、数字の整合性、根拠の確認、意思決定に必要な情報の不足がないかを点検する必要があります。以下は、成果物を確認するための実務的な観点です。
事実・解釈・提案を分けて、根拠を追えるようにする
「発注件数が増えた」は集計で確認できる事実ですが、「発注の分散が業務負担を増やした」は原因に関する解釈です。「まとめて発注する」は提案に当たります。この三つを同じ強さで断定すると、どこまで確認したのかが分からなくなります。
集計結果には、対象期間、対象部門、除外したデータなどを残します。複数の資料を使う場合には、年度や対象範囲をそろえ、そろえられないものは別の比較として扱います。見た目が似た数字を横に並べるだけでは、比較として成立しないことがあります。
解釈には、他の原因の可能性も検討します。発注件数の増加と作業時間の増加が同時に起きていても、別の制度変更が影響しているかもしれません。確認できていない部分は仮説として示し、追加で何を調べるかを考えます。
こうした確認は、資料を慎重な言葉だらけにするためではありません。顧客が、確かな情報と不確かな情報を区別して判断できるようにするためです。根拠が弱い結論を強く書くことは、提案力の高さを意味しません。
提案を採用した後に、誰が使えるかを確かめる
提案が採用されたら、実行担当者が何をすればよいかまで確認します。「部門間連携を強化する」という方針だけでは、会議を増やすのか、データを共有するのか、判断権限を変えるのかが分かりません。
実行計画に落とすなら、変える作業、担当、必要な情報、完了条件を具体化します。担当者が他の業務で動けないなら、計画上の期限が現実的かどうかも確認します。顧客の人員や能力を無制限に使える前提にしないことが必要です。
また、施策がうまく進まなかった場合に、何を確認するかも決めておくと、改善につなげやすくなります。利用されない原因が機能不足なのか、説明不足なのか、業務に合わないのかで、対応は変わります。
レビューで問われるのは、「資料は完成したか」だけでなく、「この内容で判断できるか」「次の担当者が動けるか」です。作業を終わらせる基準を、見た目の完成度から顧客の利用場面へ広げると、コンサルの仕事の責任が具体的になります。
仕事に必要な力と、応募前の確認項目
コンサルの仕事に必要な能力を「論理的思考力」「コミュニケーション力」だけで表すと、準備する内容が曖昧になります。どの場面で何ができる必要があるかに置き換えると、自分の経験と仕事のつながりを考えやすくなります。
分析・文章・調整を、具体的な動作に分ける
分析力は、複雑な計算をする能力だけではありません。比較条件をそろえる、事実と仮定を分ける、別の説明があり得るかを考えるといった動作も含まれます。表計算や分析ツールは、それを実行する手段として身に付けます。
文章や資料の力は、見た目を整えることだけではありません。誰が何を判断する資料かを決め、結論と根拠を対応させ、未確認の点を分かるように書くことが必要です。読み手が次に何をするかを判断できなければ、情報が多くても使いにくい資料になります。
調整力は、相手の要望をすべて受け入れることではありません。相手の制約を聞き、利害の違いを整理し、決める人に必要な情報を渡すことです。自分に判断権限がない場合は、曖昧な合意を作るより、誰の判断が必要かを明らかにします。
準備としては、公開資料を使い、一つの企業課題について比較表を作る練習が考えられます。出典と条件を残し、事実、解釈、追加で確認すべきことを区別するだけでも、仕事に近い考え方を試せます。機密情報を持ち出したり、実務経験がないのに経験者として語ったりする必要はありません。
会社名より、担当工程と配属の仕組みを確かめる
求人の「幅広い案件に携われる」という説明だけでは、自分がどの工程に入るかは分かりません。応募職種の案件例、配属の決め方、入社後に期待される役割を確認します。未経験者向けの研修がある場合も、研修後の配属やサポートまで別に確かめます。
働き方についても、架空の「コンサルの一日」を標準として扱うのは避けたいところです。調査中心の日、顧客との会議が重なる日、導入前の確認を進める日では、仕事の配分が変わります。出社・出張や繁忙期は、会社全体の制度と案件での運用を分けて確認します。
面談では、「若手は何を担当しますか」に加えて、「直近の案件で、若手が作った成果物は何ですか」「成果物は誰が確認しますか」「顧客との打ち合わせには、どの役割で参加しますか」と尋ねると、具体的な説明を得やすくなります。
仕事の魅力や負担を判断するためにも、抽象的な印象より、実際の作業と責任を把握することが役立ちます。業界全体の種類や収益の仕組みは、コンサルの基礎記事で整理しています。
